平成31年度第1回研修 「 意匠法改正について 」 報告

研修委員長 林 司

[はじめに]

 現在、意匠法改正が検討されており、来年の通常国会に法案が提出される予定です。今回の改正内容には、「画像デザインの保護(ネットワークを通じて表示される画像等)」、「空間デザインの保護(建築物の外観のデザイン等)」、「関連意匠制度の拡充」、「意匠権存続期間の延長」、「複数意匠一括出願制度」、「物品区分表の見直し」が含まれており、意匠制度の根幹に関わるような大きな改正となります。
 改正意匠法のポイントを逸早く把握して頂く機会として、平成31年度の第1回無名会研修として、「意匠法改正について」と題する研修を、年 明け早々の1月8日(火)に開催しました。

[講義の内容]

 今回の改正意匠法 は、従来の意匠制度とは基本的な考え方が変わる部分がある と言われています。 これを受けて、無名会研修委員会では、日本弁理士会で意匠委員会委員を務められている無名会会員の峯唯夫先生と安立卓司先生をお招きし、 改正点の概要のご説明や今後の見通し等について、講師の先生方の見識を踏まえながらご講義いただきました。
 先ず前半部分では、安立先生に、意匠法改正の概要についてお話しを頂き、続いて、保護対象の拡大 、関連意匠制度の拡充、意匠権の存続期間の延長、複数意匠一括出願制度の導入、物品区分表の見直し、及び、その他の事項について、それぞれ具体例を挙げて丁寧に説明して頂きました。その後、後半部分において、峯先生から、意匠法の改正における注意すべき事項、問題点、弁理士として考えるべき事項等について、受講者からの意見を受け付けながらお話し下さいました。
 今回は、意匠法改正に関するパブリックコメントの期間内というとても早い段階での研修開催となりましたが、峯先生と安立先生には、情報が少ない中にも関わらず、提供可能な事項を非常に丁寧にご説明頂きました。意匠制度の改正内容が非常に広い範囲亘っているため、受講された先生方は、混乱する部分もあったかも知れませんが、改正の全体像を整理できたように思われます。

[懇親会]

 研修後に行われた懇親会にも、講師も含む多くの先生方が参加されました。改正 ポイントへの理解についての意見交換や、実務に関する情報交換等を通じ交流を深めることができました。

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