令和5年度第2回研修 「特許マネタイズ実務とその視点での“良い特許”」報告

研修委員 工藤 貴宏

[はじめに]

 特許出願書類の作成から権利化までの業務における弁理士の役割は重要であることは言うまでもありませんが、権利化後の特許の売買、ライセンス交渉等、特許の活用の場面においても積極的に関与していくことが弁理士に求められます。
 そこで、知財コンサル業務の知識・経験が豊富な無名会会員の小川一先生を講師にお迎えし、「特許マネタイズ実務とその視点での“良い特許”」についての研修会を開催いたしました。
 第1回研修会と同様に本研修会を対面形式で開催し、27名の方にご参加いただきました。

[講義の内容]

 特許マネタイズの実務についてライセンス収入を得ることを中心に、自社特許のレビュー表の作成、他社製品のレビュー表の作成、侵害分析、マーケット分析、特許の有効性分析、収益・費用概算、マネタイズ実行判断といった項目を意識した事前検討の重要性をご説明いただきました。また、特許のマネタイズ活動により大きな実績を上げるため有力な米国特許の存在の必要性を強調して説明していただきました。
 特許マネタイズの視点での良い特許について「ライセンス料が稼げる特許」としてライセンスを考慮した権利化戦略を中心にご説明いただき、ライセンス交渉や米国訴訟といった実務の内容も紹介していただきました。ライセンスを考慮した権利化戦略ではマーケットやサプライチェーンを意識した応用製品の特許の存在も重要となる点ご説明いただきました。

[所感]

 弁理士の存在意義を高めるため、出願業務だけでなく権利化後の特許活用の場面においても様々な能力が弁理士に求められています。
 今回の研修を受け、顧客からの権利化後の特許活用の相談にいつでも対応できるようにするため、明細書作成においてマネタイズを意識する良いきっかけになったと感じました。
 小川先生には多くのご経験に基づいた有用な講義内容を展開していただき、非常に有意義な研修となりました。改めて感謝を申し上げます。

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