令和5年度第6回研修 「特許『出願』価値の最大化戦略」 報告

研修委員 林 司

[はじめに]

 特許権の技術的範囲は、発明の詳細な説明及び図面を考慮して解釈されるクレーム文言により定まります。また、クレーム文言は、多様な表現形式が許容されています。また、出願時の当初明細書中に“ネタ”がどれだけ埋め込まれているかは、将来特許化できる範囲に大きく関わってきます。そこで本研修では、弁護士・弁理士の高石先生(中村合同特許法律事務所)を講師にお招きし、当初明細書の重要ポイントについて、また、クレーム文言の表現形式における様々な工夫による特許権“群”としての価値の総和を最大化することについて、ご講義頂きました。

[講義の内容]

 今回の研修では、先ず、クレームの書き方について、12個の工夫があることについてお話し頂きました。続いて、12個の工夫について、1つずつ、その工夫よるメリットを、実務的な視点や判例を交えるとともに、アメリカ、欧州、中国との違いについても触れながら、ポイントを押さえてご説明くださいました。また。講義の後半では、数値限定やパラメータ発明の利用に関するメリット・デメリットを、具体的な事例を出しながらご説明くださいました。

[所感]

 クレームについて、今まで考えてこなかった視点から、色々な工夫や書き方があることに気付かされ、特許出願書類の作成に携わる先生方にとっては、とても刺激になるとともに、今後の実務に非常に役立つ講義になったように思われます。
 また、講義の最後には少しお時間をいただき、今年度に無名会が開催した6回の研修に全て参加された先生に対し、感謝の意を込めまして修了証をお渡しさせて頂きました。

[懇親会]

 研修会の終了後には懇親会が開催されました。懇親会では、参加者から高石先生に質問が投げかけられ。高石先生が丁寧に回答される場面が何回も見られました。また高石先生からは、クレームの書き方以外にも、色々な面白い情報を聞くことができ、有意義でとても楽しい時間になったように思います。

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