令和6年度第1回研修 「令和元年意匠法改正後の実務」報告

研修委員 林 司

[はじめに]

 令和元年の意匠法改正(令和2年4月1日施行)では、「画像」、「建築物」、「内装」の意匠を保護する保護対象の拡充、関連意匠制度の拡充、組物の意匠の拡充、意匠権の存続期間の延長等が行われました。その改正法の施行から4年が経過し、画像の意匠については5,500件以上、建築物の意匠については1,500件以上、内装の意匠については1,000件近くの出願がなされています。そこで、今回の研修では、意匠の実務経験が豊富な羽鳥慎也先生を講師にお招きし、画像・建築物・内装の意匠、関連意匠に関して、改正法の施行後に見えてきた実務上のポイントを解説して頂きました。

 今回は、令和6年度の第1回目の無名会研修会として開催され、無名会会員だけでなく、新たに弁理士登録された先生や、他会派の先生方を含め、計19名の方にご参加いただきました。

[講義の内容]

 講義では、先ず、意匠法の保護対象に建築物の意匠が追加された背景についてお話し頂き、続いて、建築物の意匠の登録要件、実際に登録された登録意匠の紹介、建築物の意匠を出願するときの注意事項、建築物の意匠の類否判断について、詳しく、また、判り易く解説して頂きました。次に、内装の意匠と画像の意匠について、実際の登録例を紹介しながら、その意匠のポイント、注意事項、検討事項等を具体的にご説明くださいました。

[所感]

 建築物の意匠、内装の意匠については、様々な登録例を見ながら、判り易く説明して頂きましたので、弁理士として、出願時に検討すべき事項、クライアントに対して説明しなければならないこと、提案できる範囲等について考えさせられました。また、画像の意匠については、画像自体のデザインだけでなく、願書への記載内容によっても登録できるか否かが大きく変わってくることを改めて理解することができました。研修に参加された先生方には、今後の実務に活かせる情報が得られた有意義な研修となったように思います。

[懇親会]

 研修会の終了後には懇親会が開催され、講師を含む16名の先生方がご参加くださいました。お料理や飲み物を頂きながら、講義内容等に関して更なる意見交換が行われるとともに、研修以外の内容についても多くの情報交換が行われました。

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